よい戦術とは
戦術を評価する指標はたくさんにありますが、ここでは代表的なものを解説します。
プロフィットファクター (Profit Factor)
ある戦術は10万円の純利益をもたらすとします。投資額を10倍にすると純利益は簡単に100万円になります。
純利益額だけでは戦術の有効性を知ることはできません。
戦術A | 戦術B | |
総利益 | 100 万円 | 1,000 万円 |
総損失 | 90 万円 | 990 万円 |
純利益 | 10 万円 | 10 万円 |
戦術比較 | > |
プロフィットファクターは次式によって求められます。
プロフィットファクター = 総利益 / 総損失
期待利得
期待利得とは、取引を1回行ったときに期待できる利益額です。
すべての取引の平均純利益です。
期待利得 = 純利益(収支) / 取引回数
勝率
勝率は気になる指標ですが、さほど重要ではありません。
9回分の勝利を1回分の敗北で失う戦術(勝率90%)と9回分の敗北を1回分の勝利で取り戻す戦術(勝率10%)の優劣をつけることはできません。
戦術A | 戦術B | |
純利益 | 10,000 円 | 10,000 円 |
勝率 | 90 % | 10 % |
戦術比較 | = |
ただし、心理的な負担を考えると勝率が高い方がいいでしょう。
運用利回り
期待利得が同じなら、運用期間が短い方がよい取引です。
戦術A | 戦術B | |
純利益 | 70 万円 | 70 万円 |
平均運用期間 | 16 時間 | 16 日 |
戦術比較 | > |
運用利回りは総支出に対する純利益の割合[%]を1年に補正したものです。運用利回りは次式で求められます。
運用利回り = ((純利益 / 総支出)× 100)/ 運用期間[単位:年]
取引回数
取引回数は二つの意味で重要です。
たとえ、大きな利益を約束する戦術であっても、その機会が年に一度しかなければその価値は低くなります。
戦術A | 戦術B | |
期待利得 | 100 万円 | 5 万円 |
取引回数 | 1 回 | 30 回 |
戦術比較 | < |
また、プロフィットファクター等の指標が高くても、取引回数が少なければ、その指標自身の信頼性が揺らぎます。
戦術A | 戦術B | |
プロフィットファクター | 125 | 125 |
取引回数 | 100 回 | 10 回 |
戦術比較 | > |
収支
総利益 - 総損失
純利益とも表記されます。